デビューアルバムが1000万枚のセールスを記録、その後のアルバムもすべて1位に輝いているが、色々な問題があり「1枚8年」と言われる寡作バンドである。しかし、1枚の衝撃はかなり大きい。とくにこのファーストの衝撃は、実際に聴くのが一番。とにかくそのギターの音の壮大さに感動させられる。ボストンは決してシンセサイザーや打ち込みをしないバンドであるが、そのかわりギターを多重録音して、ギターだけで壮大な音の空間を作り上げることに成功している。ヘヴィメタル的なギターであるが、それはさながら「スペースオペラ」。アコースティック・ギターの演奏から始まる一曲目「More
Than A Feeling」には当時のみんなが感動した。演奏開始から35秒後、いきなりギュイーイィイーンとエレキギターが入ってきて一挙に高揚させるその音のロマン! 「Peace
Of Mind」のサビもSF風でかっこよく、ギターもコーラスも全部が壮大。当時は「科学ロック」とか「アメリカン・プログレ」とか評されたこともあり、僕も「これがどうせアメリカのプログレなんだろうな」とカンサスを聴いたときと同じ感想を持ってしまったが、イギリスのプログレと比較してはボストンに失礼かもしれない。この高揚感はイギリスのロックには決して出せないものである。童心を呼び覚まし、人生の悩みを全て忘れさせてくれる。これが音楽のスバラシサ! |