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ブルースを基調とするずっしりと重厚なサウンドと、ごつごつしたリフ、アドリブも含めた長いギター・ソロを特徴とするロック。最初のミュージシャンはクリームで、そのジャンルを不動のものにしたのがレッド・ツェッペリンであった。ハード・ロックの歴史は、ドラッグとフラワー・ムーヴメントの歴史であると同時に、ギタリスト・ベーシスト・ドラマーの歴史でもあった。ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジという不世出のスター・プレイヤーも生まれた。へヴィ・メタルと同義扱いされることもあるが、弊サイトでは区別する。なお、アメリカ南部からのブルージーなスワンプ・ロックも形式的にはハード・ロックに近い。現在はほとんど壊滅状態で、一部のフォロワーがオマージュ的に演奏するだけになった感があるジャンルだ。
代表ミュージシャン:クリーム、ジェフ・ベック・グループ、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス、レッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、フェイセス、ハンブル・パイ、グランド・ファンク・レイルロード、マウンテン、フリー、ステッペンウルフ、テン・イヤーズ・アフター、オールマン・ブラザーズ・バンド |
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「進歩的なロック」の意。従来のロックにない壮大なスケールと奥深いストーリーに裏打ちされたコンセプト。ときに美しく、ときに物静かで、ときに怒り狂った様子ものぞかせるロック・アートである。ムーディ・ブルースが管弦楽器の演奏をメインとしたロックを発表したことがその起源とされ、キング・クリムゾンの登場により、音楽史に一大ムーヴメントを巻き起こす。キーボード、サックス、フルートなどのサウンドを前面に押し出しているのも特徴だが、1曲が極端に長いそのアルバム構成はまるでクラシック音楽のようだ。大がかりな演出によるライヴ・パフォーマンスの評価も高い。信念を持って演奏し、アルバムを「作品」として仕上げることがロックというのなら、プログレこそ真のロックといえるのかもしれない。
代表ミュージシャン:ムーディー・ブルース、ピンク・フロイド、イエス、キング・クリムゾン、ジェネシス、ナイス、アトミック・ルースター、キャメル、ルネッサンス、ジェントル・ジャイアント、ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター、キャラヴァン、バークレー・ジェームズ・ハーヴェスト、エレクトリック・ライト・オーケストラ |
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(1)ロック・バンドがジャズ・バンドに近づいたもの。(2)ジャズ・バンドがロック・バンドに近づいたもの。二者は同じようでまるっきり違う。別名「ブラス・ロック」と言われる(1)は、ブラスやサックスの音を大胆に導入してはいるものの、音楽構成はロックそのものである。そこからAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)という大人向けのロックも生まれた。(2)はジャズにロックの解釈を入れたもので、エレキ化されたブラスあるいはひずみの効いたエレキギター、エレクトリックピアノの長いジャムなどが聴き所である。難解な構成の(2)をより洗練させ、つかみやすくしたものが「フュージョン」である。今となってはジャズとロックの境界線はあいまいなものになっている。
代表ミュージシャン:シカゴ、ブラッド・スウェット&ティアーズ、スティーリー・ダン、サンタナ、ジェフ・ベック、マイルス・デイヴィス、チック・コリア、ウェザー・リポート |
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グラムとは「魅力的な」という意味である。見た目にもサウンド的にも、きらびやかな装飾を施し、オシャレで演劇的なロックを披露する。アイドル派マーク・ボランが事故死したことと、エキセントリック派デヴィッド・ボウイ、ロマンティック派ブライアン・フェリーら花形がすぐに別の音楽へと移行していったせいで、ロックのカテゴリーとしては確固とした様式を形成しないままに終わったが、ロック史を語る上では決して外せない音楽スタイルのひとつであることは間違いない。ポップ寄り、オルタナティヴ寄り、ハード・ロック寄りなどに傾向が別れる。別称グリッター(きらきらの)ロック。
代表ミュージシャン:ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、デヴィッド・ボウイ、T・レックス、ロキシー・ミュージック、ブライアン・イーノ、モット・ザ・フープル、アリス・クーパー、ジャパン、キッス、クイーン |
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50年代中頃にアメリカでカントリーとリズム&ブルースを基にして生まれた8ビート・スリーコードによる軽快なノリのダンス・ミュージック。ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツの「ロック・アラウンド・ザ・クロック」に始まり、エルヴィス・プレスリーという国民的なアイドルも誕生した。「ロック」の台頭によって衰退し、現在はオールディーズ扱いになっている。弊サイトでは「ロック」と「ロックン・ロール」はまったく別の音楽として区別する。ロックン・ロールの大きな特徴は、(1)シングル・セールスが主体だということ。(2)作曲者・演奏者・歌唱者が別々のこともあること。(3)大衆を楽しませるための歌謡曲だということ。また、ミュージシャンはロック全般のことをリスペクトを込めてロックン・ロールと呼ぶ。
代表ミュージシャン:エルヴィス・プレスリー、チャック・ベリー、ビル・ヘイリー、リトル・リチャード、バディ・ホリー、ファッツ・ドミノ、ジョニー・キャッシュ、カール・パーキンス、ロイ・オービスン、クリフ・リチャード、コニー・フランシス、サーチャーズ、ヴェンチャーズ |
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ウエスタン・スタイルのシンガーが、鼻にかかった声で甘い歌を聴かせる、アメリカで最も売れるポピュラー音楽である。ドリー・パートンやガース・ブルックスの軽快なタッチの音楽がヒットする一方で、ジョニー・キャッシュやウィリー・ネルソンのような、自分の誇りと信念を持った硬派な詩人も存在し、アメリカだけで独自に進化を続けている。主なリード楽器は、エレキギター、フィドル(バイオリンのこと)、バンジョー、マンドリン、ピアノ、ハーモニカ。もともと「元祖ロックン・ロール」としての位置づけにあるカントリーだが、音楽が多様化してきた現在では、「ロックのひとつの表現手段」という意味で、膨張したロックのカテゴリーの中に呑み込まれてしまった感がある。
代表ミュージシャン:ハンク・ウィリアムズ、ジョニー・キャッシュ、ウィリー・ネルソン、ジョン・デンヴァー、ドリー・パートン、リーバ・マッキンタイア、ガース・ブルックス、シャナイア・トゥウェイン、ディキシー・チックス |
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リズム&ブルースの略。ブルースのリズムを強調し、大衆化した音楽で、ロックン・ロールの発展にも貢献。R&Bを基板にしてゴスペルの影響を受けて発展したのがソウル・ミュージックである。サム・クックやオーティス・レディングに代表されるソウル・ミュージックは、文字通り「音を楽しむ」ための音楽で、黒人差別などの黒人が抱える悩みを吹き飛ばすパワーに溢れていた。黒人のリズム感、声量の分厚さは白人には真似できず、音楽シーンに確固たる地位を確立する。現在はファンクやソウルなど、黒人音楽を総称して「R&B」と呼ぶ。スティーヴィー・ワンダーやダイアナ・ロスら、モータウン・サウンド出身のミュージシャンがより洗練されたブラック・コンテンポラリー音楽を発表し、R&Bはよりメッセージ性の強いアーティスティックな音楽になっていった。信条をリズムに乗せて語るヒップ・ホップなどの新ジャンルも派生した。
代表ミュージシャン:レイ・チャールズ、ジェームズ・ブラウン、リトル・リチャード、サム・クック、オーティス・レディング、アレサ・フランクリン、ティナ・ターナー、テンプテーションズ、スティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ、ダイアナ・ロス、ライオネル・リッチー |
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