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Hysteria
1987
Def Leppard
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僕にとっていわゆる80年代サウンドとは、すなわちメタルである。デフ・レパードはイギリスのバンドであるが、典型的な80年代のアメリカ的な音作りをしたこの「ヒステリア」が10曲中7曲がシングルヒットし、アルバムはアメリカだけでも1100万枚という驚異的セールスを記録した。80年代はこの系統の音が全盛で、いくぶんか食傷気味という人もいたと思うが、あえてその王道を行ったことにこのアルバムの強さがある。当時のメタル系バンドのアルバムの中では格段に聴きやすいし、ノリやすく、わかりやすいのだが、これは片腕を事故で失っても「それでも俺はドラムを叩きたいんだ」という、全編からただならぬロック愛を感じとることができるからだろう。タイトルやジャケット・デザインから想像する暗い印象はどこにもなく、ポジティブなイメージが漂う。少しも泥臭くなく、いたって清潔感があり、若々しくてタイトなアルバムである。コーラスなど、特に気取っているわけでもないのに、やたらとかっこよく、耳に大変心地よい。メタル系にありがちな悪魔的あるいは情緒不安定的な余計なこじつけもなく、純粋にサウンドそのものの持つかっこよさに酔いしれたし。その意味ではヴァン・ヘイレンと並び、僕のお気に入りである。現在僕はこのアルバムを聴きながらドラムの練習中である。 |
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