ジャグド・リトル・ピル
Jagged Little Pill
1995
Alanis Morissette

 90年代後期は女性ロック・シンガーが幅を利かせていた時代だった。アラニス・モリセットはカナダの歌姫。「ジャグド・リトル・ピル」で世界デビューを果たし、グラミー賞を受賞、一大センセーションを起こした。そりゃそうだろう。当時このように歌う女性歌手など一人もいなかった。ロック・シーンではケイト・ブッシュ以来の衝撃だったのではなかろうか。テレビでも何度もアラニスの歌っている様子が放送されていたが、歌い方もかなり歌に没頭していて変な人みたいでアブナっかしかった。そこがアラニスのいいところだと思っていた。この後日本にもCoccoが出てきて、日本にもアラニスがいたのかと感心したのが懐かしい。
 このアルバムは僕ももう何度も聴いたと思うが、僕は当時からシェリル・クロウが一番好きなミュージシャンだったので、アラニスはライバル視していたくらいである。しかし「ジャグド・リトル・ピル」ほどの名盤をシェリル・クロウが作っていないので、好きか嫌いかの問題は別として、二人を比較したらアラニスに軍配をあげるしかない。「ジャグド・リトル・ピル」はまさに完璧だった。全部良い曲で、1曲も捨て曲はない。どれもが話題になった曲ばかり。このアルバムから何曲のヒット曲が出たろうか。最初のころは「You Oughta Know」がすごい歌い方で話題になったが、「Ironic」などはアルバム発売から1年遅れても余裕でヒットしたと僕は記憶している。僕は「Hand In My Pocket」と、「You Learn」から「Head Over Feet」にかけてのメロディラインが前向きな感じがして好きだ。

バンド・アルバム・インデックス
Eight Easy Steps
Supposed Former Infatuation Junkie
Under Rug Swept