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Nightmares...And Other Tales From The Vinyl
Jungle
1974
J. Geils Band
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J・ガイルズ・バンドのアルバムではこれがベストだろう。アメリカのバンドであるが、そのノリの良さは全世界共通の輝きを持つ。いかにもチャキチャキのお祭りロックである。リトル・リチャードばりの黒っぽいシャウトを聴かせるピーター・ウルフのボーカルがなんとも愉快痛快。僕はこのノリは初期ドゥービー・ブラザーズにも似ているものを感じるが、しかしJ・ガイルズ・バンドにはドュービーのような洗練されたイメージはなく、とにかくワイルド。ついつい手拍子したくなるような勢いのある本作は、まるでライブのような豪快さがあるが、それでいて、曲が流れていくバランスは絶妙で、起伏でごつごつした感じはまるでなく、奇跡的なまとまりである。
演奏もなかなか面白く、ピアノのキレがいい。ハーモニカもとにかくノリで弾いている感じがたまらない。シングルヒットした「Must
Of Got Lost」のサビを聴いていると無性に嬉しくなってくる。僕が気に入ったのはドラム。とても可愛らしくて愛嬌のあるドラムだ。「Gettin'
Out」の最後のドラム・ソロなんか最高にイカス!「Look Me In The Eye」の演奏も注目。みんなで愉快に演奏している感じがする。彼らの音楽は楽しいけれど、少しもアイドル臭さがないところがイイ。他のグループのように病んだところがないのも魅力で、日本で言うウルフルズみたいなバンドである。 |
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