Rez
Rez
2001
(Various Artists)

 僕にエレクトロニカの楽しさを教えてくれた最高の恩人?といえるドリームキャストのテレビゲーム「Rez」のサントラ・リミックス盤である。それまでテクノ系の音楽はクラフトワークと電気グルーヴくらいしか知らなかったので、「Rez」をプレイしたときには本当に大きな衝撃を受けた。いまだに飽きることなくプレイ中で、「スペースハリアー」と共に僕が最も数多くプレイしているゲームになるであろう。自分で数ある音を叩き込んでいき、自分流にリミックスして楽しむサイバー・ドラッグ・シューティング。これは僕に作曲することの楽しさも教えてくれた。

 メロディというメロディはなく、とにかく何も考えず、「感じること」。そこが大切だということだ。その意味ではエレクトロニカはハード・ロックやフリー・ジャズと全く同じ部類に属する音楽形態である。聞いていて、うずうずしてくるほど、「音楽したい」という欲求を高めさせる。一音一音の音の響き。反復が幾重にも重ね合わさると、限りない恍惚感を生み出す。それはさながら異次元空間へのワープ。

 本サントラ盤は、作曲者自身がリミックスのお手本を示すといった構成である。ミスト、ジョジョカ、オヴァル、アダム・フリーランドらが参加。やはり圧巻はケンイシイで、その天才的構造美は圧巻。永遠の愛聴盤!