狂熱の蠍団
Virgin Killer
1977
Scorpions

 スコーピオンズの作品では多分これが一番有名だろう。というのもこのアルバムはジャケットが差し替えられたいきさつがあるからだ。中身がどうのこうのというよりも、ジャケットが話題になった珍しい例である。このジャケットはタイトルを露骨に表したもので、少女のヌードと割れたガラスがモチーフになっている。今見てもかなり際どいジャケットである。同じ例ではブラインド・フェイスの少女ジャケも問題になったが、だいたい少女のヌードという時点でかなりやばいところを、さらにガラスとは、もっとやばいではないか。海外ではメンバーを写した写真に差し替えられたが、しかし日本では性に関してはかなり寛大なので、そのままの写真で発売。それだけで日本の国民性がわかってしまう。もはや日本では差し替えジャケットの方が貴重だったりするのではないか?
 ジャケットのことばかり書いたが、中身も無論素晴らしい出来栄えで、まさにジャーマン・メタルの最高峰と呼ぶにふさわしい。ツイン・ギターもボーカルもテクニック抜群で、最高にイカス。「Pictured Life」のイントロがたまらない。これがメタルの美しさ。はっきりいってアメリカやイギリスのメタル・バンドよりも凄いんじゃないかと思ってしまう。メタルはかなりクセのあるジャンルなので、嫌いな人は何を聴いても嫌いだが、好きな人は何を聴いても好きなはず。100%メタル・サウンドで塗り固められたこのアルバムは、メタル・ファンならよだれのでるアルバムである。

バンド・アルバム・インデックス
Animal Magnetism
Blackout
Crazy World
Eye To Eye
Face The Heat
Fly To The Rainbow
In Trance
Lonesome Crow
Love At First Sting
Lovedrive
Moment Of Glory
Pure Instinct
Savage Amusement
Taken By Force
Tokyo Tapes
Unbreakable