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Return To Forever
1972
Return To Forever
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フュージョン・ブームの火付け役ともいえるアルバム。これに触発されて、サンタナほか、数多くのバンドがフュージョン化していった。つまりこれはロック・シーンから見ても重要な「ジャズ・ロック」のアルバムといえるだろう。本来なら、ジャズ的側面から語るのがスジだろうが、ここはロックのホームページなので、ロック的側面から語らせてもらう。
妥協を許さない4曲の演奏。とくに重要なのはタイトル曲と「Sometime Ago - La Fiesta」。時期を同じくして、すでにマハヴィシュヌ・オーケストラが「Inner
Mounting Flame」でジャズとロックの垣根を越えたとはいえ、マハヴィシュヌは良くも悪しくもテクニック優先のバンドで、その魂は十分にロックのそれに到達していなかった。魂の面からロックに近づいたのはリターン・トゥ・フォーエバーであった。バンド・メンバーは、チック・コリア(p)、ジョー・ファレル(flute)、スタン・クラーク(b)、アイアート・モレイラ(dr)、フローラ・ピュリム(vo)の5人だけ。ジャズなのでオーバーダビングはしてないだろう。アドリブに近い形であるが、テクニックだけにこだわって聴き手を畳みかけたマハヴィシュヌとは異なり、チックはその感性で聴き手を感動させた。チックの演奏は、エレキピアノのおよそ最高のスタイルを備えている。感性では、彼を超えるエレキピアニストはおるまい。ハートで感じるロック・バラードの名盤である。 |
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