Wildflower
2005
Sheryl Crow

　前作「カモン・カモン」はロックありソウルあり、バラエティ豊かで、大物ミュージシャンとの共演が話題になったが、あれから3年。待ちに待った5枚目のスタジオオリジナルアルバムの登場だ。今度のアルバムではこぢんまりと同一バンドで録音し、バックにはオーケストラを大胆に配置し、エレキギターを中心に、ロックの本質に迫ったメロウな内容になっている。

　いやー、待ち続けましたよ。一応シェリル・クロウのアルバムはいつも発売日に買っているし、僕がリアルタイムで新作を買い続けている唯一のミュージシャンとあって、新作の発売には毎度興奮の嵐です。今度はどういうスタイルにイメチェンしてくるか興味津々だったが（彼女はアルバムごとに顔が別人なみに変わるのだ！）、今度は神秘的なオリエント・スタイルで攻めてくるとは、またまた一皮むけたシェリルに大感動。アルバムを聴いてみると、バラード・ロックのオンパレード。こういうゆったりしたロックばかりを聴きたかったので、この構成は嬉しい。何回も何回も続けて聴いちゃいました。いやー、シェリルのどこか寂しい声がいいですねー。声がのびるのびる。僕がいちばん好きなタイプの声だ。シェリルのアルバムはどれもそうだが、全曲が素晴らしい。もちろん全部自作自演。どの曲もサビのメロディと声が美しいこと。じーんときちゃいます。真のロックの在り方を思い出させてくれる「Good Is Good」の1曲のためだけでも買いのCDだ。もう五つ星。どこぞの下手なポップ・スターとはワケが違います。やっぱシェリル・クロウは僕にとって最高のロック・アイドルだよ。

　アルバムの中では「Live It Up」の1曲だけがそれまでのシェリル・クロウっぽいが、1年後にはこの調子でノリノリのアルバムを出すというので、またまた期待がかかる。