横浜国際競技場のロック・オデッセイ2004(1日目)に行ってきたので、思ったことを素直に書かせてもらう。まずはっきり言うと、不満要素の方が大きかった。ひどいのは音だ。ベースはただの地響き、ボーカルも何と歌っているのかさっぱりわからない。あれだけ大きな会場なので、仕方のないことであるが、あれはロックのおよそ最悪の形といえるのではないか。ライブハウスのような臨場を期待していた私は、失望を隠しきれなかった。ステージまで距離が離れすぎて、バンドメンバーたちはもはやゴマ粒程度の大きさに。ステージ横に下手なカメラマンが撮った映像が中継で流れてはいるが、映像ではありがたみがなく、「本当にここに来てやってるの?」という思いに時々かられてしまった。
この日一番良かったのは、一番暑い時間に演奏してくれたポール・ウェラーだった。他のバンドの音は割れてひどかったが、元パンク・ロッカーのウェラーの音は、音質がひどくてもノリだけで十分に観客を乗せるだけの重厚で洗練されたパワーを持っていた。また、彼だけがタバコを吸いながらリラックスして演奏していたが、そのお陰でウェラーと観客の間の壁を感じさせず、炎天下、観客達もステージ前に押し寄せて異様な盛り上がりだった。
その後のステージから、スタッフの監視が厳しくなり、柵が敷かれて、観客の無理が利かなくなり、熱気が半減してしまった気もする。それにしてもスタッフたちは本当にウザかった。私も席から離れていたらスタッフから注意されてしまい、一気に興醒めした。みんなあれだけ盛り上がってるんだから、客の好きにさせてもらいたいものだ。だってこれはロックなんだぜ。
普通ならフーとエアロスミスの両方が好きというのは考えにくく、この2者が同じステージに立つのは少し不思議な感覚である。私の隣の人は、フーのときは立ち上がって一緒に歌っていたのに、エアロスミスのときはじっと座ったまま拍手すらせず、明らかにフー派であることがわかった。それに比べ、前列の観客たちはフーのこともエアロスミスのこともツカミをよく分かっていて感心であった。
最後に一言、私の大好きなウルフルズが大阪に来て横浜に来なかったのが残念である。(2004/7/25) |