昨日、邦楽のライブ番組ミュージックステーションのスペシャルを見た。この番組は今年で20周年になるという。有名なミュージシャンたちの生の歌いっぷりが見られるということで、こういうライブ番組はミュージッククリップをただ流すだけの番組とは違って、かなり良心的である。今回はスペシャルということで、20年間の懐かしい映像を年代順にダイジェストで見せていた。いやぁこれが懐かしかったか。洋楽は日本では流行しないので、80年代の洋楽を今聴いたところで、それほど時代を感じさせるものではなく、例えばライブエイドのDVDを見たときも僕は懐かしいと思うどころか新鮮に思ったものである。それに対し、邦楽は何かしら必ず毎年日本で流行になるから、80年代の邦楽などを聴くと、「ああそんな時代もあったなあ」とすごく懐かしくなってくるのである。歌自体を思い出すこと自体も懐かしいが、その歌と同時に、その当時の時代性まで思い出し、はたまたその当時の自分の私生活の記憶まで蘇ってくる。あまりの懐かしさに思わず胸一杯になってしまった。KANの「愛は勝つ」では高校時代の想い出が浮かんできた。当時音楽に全く興味がなく、むしろ音楽が死ぬほど嫌いだったが(当時は鼻歌歌っている人とか見ると無性にムカついていた)、クラスメートのみんなが「愛は勝つ」を歌っていたのははっきりと記憶している。懐かしい。
 驚くのはX JAPANである。CDなら何度も聴いたことがあるがライブ映像で見たのは初めてである。撮影機材をぶっ壊すあの暴れっぷりはすごい。メイキャップしてるからあれだけ凶暴性を演出できるのだろうと思うが、アンダーグラウンドではなく、日本のメインストリームの音楽シーンにあれだけ凶暴なロック・バンドがいたとは意外である。僕の親友はおとなしい男だが、X JAPANの大ファンだった。X JAPANの凶暴性に自分を投射させることで快感を得ていたのかもしれない。
 僕が邦楽を最も聴きまくっていた時期は1998年である。だから98年の邦楽は何でも知っているつもりだ。だから今回の放送では、98年のダイジェスト映像がもっとも感慨深かった。L'Arc〜en〜cielやKiroroもよく聴いていたものである。邦楽も決してまんざらではないなと思った1日だった。(2005/1/15)