2005年10月30日、横浜アリーナのクイーン+ポール・ロジャース・ライブに行ったときの日記。クイーンのライブにピンク・フロイドのTシャツを着て行くくらいですから、クイーンは好きですが、熱烈なファンというわけではないので、他のブログみたいに熱くは語れませんが、僕なりに思ったことを率直に書きます。

 このライブの僕の目的はといえばポール・ロジャースだった。僕はフリーとバッド・カンパニーが大好きなんだけれど、フリーもバドカンも来日公演は現時点では不可能な状態だったろう。そこにクイーンに加入するというビッグニュースを聞いてぶっとんだのはいつの頃か。チャンピオンたちははやばやと日本にもやってきた。ロック・ファンにしてみればポール・ロジャースの方がフレディ・マーキュリーよりも格が上だという人も多いと思うが、日本人はやたらとクイーン好きで、フレディ・マーキュリーは知っていてもポール・ロジャースを知らない人は多い。そんなメンツで、果たして人は集まるのだろうか?と心配したが、ほぼ満席。フレディもジョン・ディーコンもいないのに、ここまで人が集まったのは凄いと思った。

 フリーやバドカンの曲も演奏してくれたのは嬉しかったけれど、クイーン・ナンバーにせよフリー・ナンバーにせよ、まるで違いなし。見事に両要素が溶け込んでいるように思えた。ファンの人たちもちゃんとフリー・ナンバーを予習してきたようで、一緒に合唱していた。ポール・ロジャースはたしか日本人と結婚したことがあったはずだから、もっと日本語がうまいかとおもったけど、ほとんど英語で喋ってたな。
 しかしライブを見ているうちにポール・ロジャースのことなどどうでもよくなってきた。はっきりいってこの日のライブはブライアン・メイとロジャー・テイラーがポールの数倍は目立っていただろう。中盤ではポール不在のまま、二人だけで大いに盛り上げてくれていた。

 いやはや、どっからみてもフレディ・マーキュリーに捧げたライブだった。純粋に新生クイーンの音楽を聴きたかった僕としては、昔の記憶に甘んじている姿に幾分か抵抗を感じた。「Bohemian Rhapsody」ではフレディ・マーキュリーの映像が映し出され、彼の声が収録されているトラックがそのまま使われて、そこにブライアン・メイの生演奏をのっけるという、ライブなのに半分ライブじゃないというところで複雑な気持ちに。でもブライアンが「Love Of My Life」などフレディの曲を弾き語りで歌い上げるところなど、たしかにじんとくるものはあった。「Let Us Cling Together」を歌ったのは日本公演ならではだが、これがこの日のハイライトだったと言っても良いだろう。
 他に印象に残った曲は、「I'm In Love With My Car」。ロジャーのドラム・ソロをフィーチャーした後だったから、かっこいいこと。ロジャーのハスキー・ボイスはロッド・スチュワートにも負けていない。ブライアンも歌では負けておらず「'39」歌わせるとピカイチだった。
 もちろんアンコールの「We Will Rock You」もよかった。これが一番聴きたかったのだ。ズンズンチャズンズンチャ。みんな手を挙げて気持ちよかったなあ。やっとポール・ロジャーズのライブ・パフォーマンスもスゴイと思えてきた。
 個人的に僕が一番好きなクイーン・ナンバーである「You're My Best Friend」を歌ってくれなかったのは残念だが、主役のディーコンがいなかったので仕方あるまい。

 大きな不満点は、クイーンのライブが始まる前にエミネムの「Lose Yourself」(最近はiPodのCMでも使われている名曲だ)が流れたのだが、この音がかなり良かったのに、肝心の本番では音が割れて聞こえたことだ。本番ではベースの音はほとんど聞こえないに等しかった。これは巨大ステージの宿命と思って諦めるしかないのだが、それにしても前座音楽ともいえるエミネムの音が良かったのだから(エミネムのときはベースはちゃんと聞こえていた)、本番の音もあれくらいチューニングできなかったのだろうか? クイーン・ファンには悪いけど、あのままエミネムが出てきたら僕はとびあがって喜んだであろう。
 もうひとつの不満点といえば、ビッグスクリーンに映し出される映像。何度も何度も客の顔が映ってうるさかった。客をそんなに映して何になるんだ? しかもブライアン・メイよりも客の顔の方が7倍でかく映ってたぞ。俺が見たいのはクイーンだっつーの。客のドアップじゃないっつーの。

 横浜アリーナを出た後、「クイーン演奏中」という張り紙が張ってあった居酒屋に入ってみた。てっきりコピーバンドの生演奏が聴けるのかと思ったが、だまされた。ただBGMで流れているだけ。しかもかなりの小さな音で。居酒屋はお通し代を勝手にとるからイヤだ。
 なんやかんやいっても、とても面白いハード・ロック・ライブでした。(2005/11/1)

今回の浪費額 チケット代 12,000円
  飲食代 2,100円
  交通費(往復)

900円

  合計 15,000円