<バンド>の2作目にして、アルバム名は「バンド」。前作「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」はカバー曲よりだったが、今作ではリーダーのロビー・ロバートソンが中心となって全曲を作曲。タイトル通り、彼らの音楽のすべてがつまった最も<バンド>らしいオリジナリティあふれるアルバムとなった。とくに、メンバーたちのヨーデルが独特なグルーヴを醸し出す「Up
On Cripple Creek」は彼らのライブの定番であり、<バンド>のテーマ曲ともいえる重要なナンバーである。
渋めのバラードをやらせたら<バンド>は天下一。「The Night They Drove Old
Dixie Down」のリヴォン・ヘルムのしみじみとした歌声。「俺たちの役目は、人を精一杯楽しませることさ」といった<バンド>の下手っクソながらもスピリチュアルな演奏には感慨深い味わいがある。
このジャケット・デザインは、メンバーの写真をあしらった数あるロック・ジャケットの中でも断然かっこいい。僕はこのジャケットを見ているだけでも物凄く感動を覚える。彼らの目は、ロックに生きる男たちの目だ。これがロックだ。 |