ロックを好きという人には、十人十色、ロックを好きになる何かしらのきっかけがある。僕の場合、<バンド>のライブ映画「ラスト・ワルツ」を見たことがそのきっかけである。夢中で演奏するメンバー5人の汗臭さ。見た目はすごくやぼったいのに、演奏も歌もダサダサなのに、それなのにどうしてかかっこいい。心に強く訴えかけるものを感じる。「Up
On Cripple Creek」と「The Night They Drove Old Dixie
Down」の演奏には例えようのない興奮と幸福感を覚えたものである。これがロックなんだなぁと。「ラスト・ワルツ」1本だけで僕は一気にロックの世界にのめり込んだわけで、今では毎日ロック浸けの生活である。僕をこんな幸福者にしてくれたきっかけとなった<バンド>は、僕にとって最も好きなロック・グループのひとつである。
何よりも渋いバラードに実力を発揮する<バンド>。名盤「Music
From Big Pink」を発表したとき、ロビーが一番若く24歳。最年長はリヴォンで27歳。早老ガースはまだ25歳。平均年齢25歳にして、この親父臭さ。それまでのロックの概念は、「若者の反抗」であったが、<バンド>はその風潮を真っ向から否定し、枯れた中年男のおんぼろ人生をロックの中に表現。まったく新しいロックのイメージを打ち立てたのだった。
アメリカのロックの心を知るなら、ボブ・ディランと<バンド>を聴くのが一番である。 Amazonで「バンド」を検索
Music From Big
Pink (68) The Band (69)
Stage Fright (70)
Cahoots (71)
Moondog Matinee (73)
Northern Light Southern Cross (75)
Island (77)
※
Jericho (93)
High On The Hog (96)
【Live Album】
Rock Of Ages (72)
The Last Waltz (78)