スノー・グース
The Snow Goose
1975
Camel

 「スノー・グース」は「ポセイドン・アドベンチャー」の作者が書いた小説の音楽化である。つまりは、物語を持った音楽詩で、彼らがヴォーカルを排除して徹底的にインストゥルメンタルの美学にこだわったトータル・アルバムである。キャメルは知る人ぞ知るバンドだが、日本でも人気が高く、「ミラージュ」や「スノー・グース」などの名盤は今聴いても全く色あせていない。当時はロック界の耽美派とも言われたが、それはアンディ・ラティマーによるギターの繊細かつ柔らかい音色が最たる所であろう。ラティマーのギターは涙なしには聴けない。それがピート・バーデンスのキーボードと見事な相互作用を起こし、感動的なドラマ音楽となる。これほどキーボードとギターの相性がいいとは。なんとなく前向きな気持ちにさせられ、聴き終わった後もしばらくため息がとまらない。歌はないけれども、非常に想像力を刺激される一枚なので、音楽が本当に好きだというあなただけにオススメしたい名盤だ。
 PSこれが気に入ったら歌モノが聴きたくてうずうずしてくるはず。そういう人には「ミラージュ」がオススメ。

バンド・アルバム・インデックス
Breathless
Camel
Dust And Dreams
Harbour Of Tears
I Can See Your House From Here
Mirage
Moonmadness
Nude
Rain Dances
Rajaz
Single Factor, The
Stationary Traveller