|
Sweetheart Of The Rodeo
1968
The Byrds
|
|
グラム・パーソンズが参加した唯一のバーズ作品にして、これがバーズの最高傑作となった。
今度のバーズはカントリーに徹した。ロジャー・マッギンは12弦ギターを使わず、フォーク・ギターとバンジョーを演奏している。とはいっても、サイケデリック・ロック・バンドによるカントリー・アルバムであるから一味も二味も違い、これが起点となって、カントリー・ロック・バンドが続々と登場したと言われている。
カバー曲がほとんどであるが、そんなこともどうでもよい。どこら辺がロックっぽいとか、そういう難しいことを云々するよりも、ただ単純にこのアルバムの流れに乗ってもらいたい。とにかくこれはゴキゲンのアルバムである。「ズンタッタッ、ズンタッタッ」というゆったりしたリズムがこんなにもリラクゼーション効果があるとは知らなかった。目をつぶって聴くと、なおさら気持ちが良い。みんな楽しそうに演奏しており、フィドルとホンキートンク・ピアノも良い味であるが、なんといっても全編に響き渡るスティール・ギターの音色に尽きる。時にはのどかに。時には心寂しく。ロックらしいかっこよさを残しつつ、サイケのスペーシーな浮遊感をそのままカントリーのゴキゲンなメロディに合わせている。カントリーとサイケをブレンドするとこうも素晴らしいものができるとは!
僕はカントリーをよくBGMにして仕事をすることが多いが、これもたまにBGMとして流すことが多く、僕のお気に入りである。「無人島に持っていくアルバム」を選ぶなら、ひとまずこれを候補にあげておく。ジャケットのレトロな漫画も好きである。 |
|
|