ライブにいっていつも思うこと。それは手拍子のジレンマ。はたして手拍子はファンにとって有益なのか無益なのか。また、手拍子はミュージシャンにとって嬉しいものか煙たいものか。
 ファンのうちの誰かが手拍子を始めたら、それにつられて大勢のファンが手拍子を始める。こうなるともう止まらない。
 僕はライブの手拍子については反対である。せっかく本物のミュージシャンが近くまで来て生演奏してくれるのだから、その演奏をしっかり聴いておきたいので、ファンたちの手拍子が僕にとってはうるさいのである。僕は絶対に手拍子しない。まず手拍子すると手が疲れるし、手拍子ではいまいち盛り上がれない。手拍子するよりは体を動かしてノっている方が遙かに気持ちが良い。
 しかし、あれだけ大勢の人が手拍子するわけだから、手拍子肯定派はかなりいると思う。おそらく、手拍子している人たちは、その興奮を体で体験しつつ、それを音として示したいのだろう。
 ところで、ビートルズが一切のライブ活動をやめた理由として、ファンの歓声がうるさくて、演奏がかき消されるからだといっていた。わかる気がする。やはりミュージシャンとしては、手拍子はやって欲しくないのかもしれない。また、それとは逆に、ミュージシャン自らファンのみんなに手拍子を促すケースもあり、これではどっちつかずだ。
 我が敬愛するピンク・フロイドの日本公演では、「神秘」を演奏中、ファンたちが手拍子であのドラムのループを真似したらしい。あぁみっともない。はたしてピンク・フロイドはそれを喜んだか嘆いたか・・・。
 手拍子ならまだましだが、大声で歌をハモるファンはもっとひどい。これは本当に横にいる人が迷惑である。(2004/10/27)

 追記。昨日ライブに行って手拍子したら結構楽しかった。一度は手拍子反対とはいったが、ライブ会場によっては賛成である。たとえばライブハウスでは手拍子をしてもしっかりとバンドの音は聴こえてくる。要は手拍子が音を聴く妨げにならなければじゃんじゃん手拍子をしても構わないということ。スタジアムなどでは反対である。(2005/5/13)