サンタナはアメリカのバンドでは僕が一番好きなバンドになるのかもしれない。もともとサンタナはラテン・ロックから始まり、ジャズやサンバなど色々な方向へ音楽の領域を広げていった。スピリチュアルなイメージが強く、アメリカのカラっとした雰囲気がなく、どちらかというとイギリスっぽいウェットな感じがあった。「ウェルカム」は名作「キャラバンサライ」に続く作品で、ジャズ色がもっと濃厚になり、アフリカ音楽など、これまた様々なタイプの音楽を聴かせてくれる。フュージョンの名盤「リターン・トゥ・フォーエバー」で透き通ったヴォーカルを聴かせたフローラ・ピュリムをボーカルに招いての「Yours
Is The Light」、ジャズ・ロックの雄マハヴィシュヌ・ジョン・マクラフリンとギターアンサンブルを繰り広げる「Flame-Sky」、ジョン・コルトレーンへのオマージュといえる「Welcome」など、ジャズ寄りの楽曲が目立つが、どれもスピリチュアルな感動がある。驚くのはこれだけ多様な音楽を集めていながらも、1枚のアルバムとして完璧なまとまりであることだ。美しき名盤。とにかくサンタナは聴くほどに奥が深い。 |