ディープ・パープルIII
Deep Purple
1969
Deep Purple

 一般的に過小評価されている感が否めない第一期ディープ・パープルの3枚目のアルバムである。これを最後に第一期パープルは自らを解体し、第二期パープルに再編成。ハード・ロックというカテゴリーをメタルへと発展させ、エネルギッシュなロック・バンドへと変貌を遂げる。僕は黄金時代と言われた第二期も大好きだが、第一期も大好きで、第二期と比較しても引け目なしと思っている。第二期を動とするなら、第一期は静であり、バロック風の演出が施された「Blind」やバラードの「Lalena」など、重厚な演奏の中に物悲しさが爆発している。オーケストラと共演しクラシックとロックの融合をはかった感動巨編「April」はパープルの最高傑作といってよく、この1曲の自信から、このアルバムのタイトルに、堂々とバンド名を冠したのではないかと推測する。

 ロードのキーボードも、ブラックモアのギターも、ペイスのドラムも、この時からしてすでにヘヴィである。エヴァンスのヴォーカルもシャウトがピリリと利いているし、なぜ首になったのはわからないほどイイ。「Chasing Shadows」と「Bird Has Flown」のブラックモアのギターは見事としか言いようがないし、「The Painter」のロードのキーボードのドライブ感などは何度聴いても背筋がゾクゾクする。やはりロードこそ世界一のロック・キーボーディストだと再確認できる1枚で、もっと高く評価されてしかるべき、僕のお気に入りのアルバムだ。

バンド・アルバム・インデックス
Abandon
Bananas
Battle Rage On, The
Book Of Taliesyn, The
Burn
Come Taste The Band
Concerto for Group and Orchestra
Deep Purple In Rock
Fireball
House Of Blue Light, The
Machine Head
Perfect Strangers
Purpendicular
Rapture Of The Deep
Shades Of Deep Purple
Slaves And Masters
Stormbringer
Who Do We Think Are