マシン・ヘッド
Machine Head
1972
Deep Purple

「イン・ロック」で勢いづいたディープ・パープルは、「ファイヤーボール」、「マシン・ヘッド」とコンスタントに過激なロック・アルバムを発表し、ヘヴィ・メタルという新しいジャンルのグルーヴをロック・シーンに定着させた。とくにホテルの廊下で録音したという「マシン・ヘッド」は荒々しく、ディープ・パープルの重要なレパートリーとなる「Highway Star」「Smoke On The Water」「Lazy」「Space Truckin'」の4曲を含む代表的1枚である。印象深いのは「Smoke On The Water」の最初のギターリフである。これはギター小僧たちが必ず真似するほど有名なフレーズだ。

もちろん他の曲も捨て曲なしの傑作揃い。とくに「Picture Of Home」はこの当時のディープ・パープルのグルーヴを最も的確に表現しているといえる。止めどない疾走感、聴く者を引きずり込んで離さず、まさに勢いだけで最後まで聴かせる。ギター・ソロ、ドラム・ソロ、ベース・ソロ、キーボード・ソロを交代で聴かせるなど、見せ場もたっぷりあり、ディープ・パープル・サウンドここにありといったところだ。ディープ・パープルのいいところは、リフの上に各自の演奏を引き立たせる作風にあり、常にメンバー全員が平等に目立つようになっているところだ。彼らが何度もメンバーチェンジを重ねながらも、必ず5人編成を守り抜いた理由はそこにある。

バンド・アルバム・インデックス
Abandon
Bananas
Battle Rage On, The
Book Of Taliesyn, The
Burn
Come Taste The Band
Concerto for Group and Orchestra
Deep Purple
Deep Purple In Rock
Fireball
House Of Blue Light, The
Perfect Strangers
Purpendicular
Rapture Of The Deep
Shades Of Deep Purple
Slaves And Masters
Stormbringer
Who Do We Think Are


ディープ・パープル偉人伝
イアン・ギラン編

ディープ・パープルのメンバーの中で、最も人気のある男は、イアン・ギランに間違いあるまい。ルックス面でも一番かっこよく、声も最高にセクシーで、彼がシャウトするだけで女の子たちはキャーキャーである。ディープ・パープルに女性ファンが多いのも、イアン・ギランがいたお陰だろう。ファンいわく、イアンの声がいいのは、少し下手なところだという。言われてみれば、声量はそれほどないのに、無理して声を出しているところがなにやらかっこいい感じがする。ヘヴィな曲ばかり目立っているが、バラードの歌い方を聴いていると、ちょっとお調子者っぽい様子がうかがえるときがあり、いやはや感受性豊かなヴォーカリストである。