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Led Zeppelin III
1970
Led Zeppelin
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レッド・ツェッペリンのアルバムはどれも好きであるが、最も脂の乗っていた時期に作った「III」は「I」「II」「IV」の良いところがすべて詰まっているという感じがして、個人的には最もレッド・ツェッペリンらしいアルバムだと思うし、僕は一番好きである。ファーストアルバム同様ブルース色の強い作品であるが、その音楽のバラエティは実に多彩である。例えば「Gallows
Pole」ではカントリー系の楽器を使ってハード・ロックをやりまくっているのだ。このアルバムはどの曲も気迫が凄い。彼らがどれだけ気迫に満ちた不良バンドであったが、この1枚が証明してくれる。
改めてじっくり聴いてみると、やはり「これぞハード・ロック」だとうなってしまう。音的には多少粗削りな感じもするが、そこがかえってますますハード・ロック然とした音源となった。「Celebration
Day」「Out On The Tiles」など、その我を忘れたかのような荒々しさをとくとお聴き願いたい。
このアルバムで有名な曲は「Immigrant Song」と「Since I've Been Loving You」の2曲だ。「Immigrant
Song」のターザン風のシャウトはまさにロバート・プラントなりの持ち味だし、最もレッド・ツェッペリンらしい曲だと思う。「Since
I've Been Loving You」は僕がゼップで最も好きな曲である。ブルース・フィーリングにあふれた重厚なハード・ロック。僕はハード・ロックとは何かと訊かれれば、必ずといって「Since
I've Been Loving You」をあげることにしている。ズッシリとくるドラムのリズム。エレキ・ギターの長いソロ。魂のこもったヴォーカル。絶品である。何度聴いてもただただしびれるばかりだ。
アコースティック・ギターの音を前面に押し出すところはファーストアルバムに通じる傾向であるが、とくに本作では「Bron-Y-Aur
Stomp」などエレキ音を排除した曲が多く、アコギのパワーが凄まじい。それは往年のブルース・マンたちの燃える魂を彷彿とさせる。「Hats
Off To (Roy) Harper」では、ベースもドラムも使っていない。ただただ荒々しいスライド・ギターのサウンドが大展開し、ロバート・プラントは血管がブチ切れそうなくらい叫び続け、鬼気迫るものがある。エレキ・ギターを使わずして、このヘヴィなノリはなんなんだと、レッド・ツェッペリンの偉大さを再三かみしめる思いである。 |
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