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One For The Road
1980
The Kinks
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キンクスによるゴキゲンのライブ・アルバム。キンクスは俗に2つのタイプの音楽で知られている。ひとつはヘヴィ・メタルの開祖としてのバリバリのギター・アルバム、そしてもうひとつは哲学感あるコンセプト・アルバム。一般的には後者の方で知られている感があるが、実際に売れていたのは前者の方である。もともとキンクスはヘヴィなサウンドを売りとしたバンドだった。歪んだギター・サウンドの第一人者ともいえるデイヴ・デイヴィスのサウンドのヘヴィさは他に追随を許さなかった。
今回紹介するライヴ・アルバムは、コンセプト・アルバムとしてのキンクスではなく、エネルギッシュなヘヴィ・メタル・グループとしてのキンクス一色で、存分にキンキー・サウンドを満喫することができる。日本にキンクスが紹介されたとき、一番人気のあったアルバムがこれだったというので、日本人にとってはむしろ「ヴィレッジ・グリーン」以上に記憶されている1枚になるだろう。
ライブの布陣は、レイ・デイヴィス(リードヴォーカル)、デイヴ・デイヴィス(リードギター)、ミック・エイヴォリー(ドラム)、ジム・ロッドフォード(ベース)、イアン・ギボンズ(キーボード)。レイならではの観客全員を巻き込んだ大合唱がかなり派手で賑やかだが、それにしてもデイヴのギターが熱い。キンクスといえばレイであるが、このライブを聴くと、曲をリードしていたのは明らかにデイヴのギターである。もちろん名曲「ユー・リアリー・ガット・ミー」も演奏するが、テンポが早くなってよりアグレッシブ。弟分であるヴァン・ヘイレンを意識したであろう金属的なギター・ソロには鳥肌ゾクゾクである。「アティチュード」、「ストップ・ユア・ソビング」など、シンプルなロックン・ロールのテンポにして、このヘヴィ・ギターである。僕個人的には分厚いビート感が心地よい「スーパーマン」の演奏が気に入った。デイヴもギターを延々かき鳴らして決めまくる。まさしく前作「ロウ・バジェット」で大ヒットを飛ばしたキンクスの自信に満ちあふれた入魂の一撃。ステージの上ではレイもデイヴも本当に凛々しかったろうなあ。 |
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