ブライアン・フェリーのダンディズムとドラマ志向がひとつの頂点に達した(1)
Love Is The Drug 、(2) End Of The Line を含む、商業的にも成功した名盤。以前までの変態的な楽曲構成は抑えられ、ロキシーのアルバムの中でも最も分かり易い1枚になっているが、とはいえ曲の変調構成については顕著であり、相変わらずフェリーのフォルム主義は健在だ。
ロキシーは、ビート系の曲に才能を発揮するバンドであるが、(3) Whirlwind、(4)
She Sells 、(6) Both Ends Burning など、スキップするフリーキーなビートはロキシー随一である。
演奏面では(3) Sentimental Fool が必聴。これぞロキシー美学そのもの。バンド・メンバーそれぞれに見せ場を置き、マンザネラのギターとフェリーのキーボードの絶妙の絡み具合のあと、ベースを加え、ドラムを加え、やっとボーカルが入り、曲をドラマチックに展開していくそのフォルムは圧巻。マッケイのサックスのさりげなさがたまらなくロマンチックだ。 |