ライブ・イン・ジャパン
Live In Japan
1972
Deep Purple

 ディープ・パープルは、第二期こそ最盛期だと言われているが、「ライブ・イン・ジャパン」を聴けば納得だ。ディープ・パープルにとっては生涯のベスト・プレイといえる本作は、紛れもなく、ロック史上最高のライブ・アルバムである。1曲1曲にアドリブを加え、5人のメンバーそれぞれが一歩前に出て熱く演奏しており、そのロック・スピリッツは、オリジナルのスタジオ盤を遙かに凌駕している。リッチー・ブラックモアのギター・ソロ、ジョン・ロードのキーボード・ソロ、イアン・ペイスのドラム・ソロ、どれも絶品だ。イアン・ギランの怪鳥音は喉が引きちぎれんばかりの凄まじさだ。

 彼らは後にこの頃の自分たちを思い出して「男のロマン」と叫んだが、とくに最後の「Space Truckin'」はまさにその言葉に偽り無しで、それはもう聴いているうちに感極まって涙が出てしまうほど熱い。ロックとは何か。その答えを知りたければ、この1枚を聴くのが一番の早道である。

バンド・アルバム・インデックス
Abandon
Bananas
Battle Rage On, The
Book Of Taliesyn, The
Burn
Come Taste The Band
Concerto for Group and Orchestra
Deep Purple
Deep Purple In Rock
Fireball
House Of Blue Light, The
Machine Head
Perfect Strangers
Purpendicular
Rapture Of The Deep
Shades Of Deep Purple
Slaves And Masters
Stormbringer
Who Do We Think Are


70年代初頭まで、外国人ロック・ミュージシャンが日本でライブをやるなんぞ、珍しいことであったが、ディープ・パープルの「ライブ・イン・ジャパン」の成功がすべてを塗り替えた。「ライブ・イン・ジャパン」は日本のみ、日本のスタッフが独自に発表。これを聞いたディープ・パープル当人は、その音源のクオリティの高さに感嘆し、海外では「Made In Japan」として発表された。「Made In Japan」の制作は外国人スタッフだが、日本人スタッフによる「ライブ・イン・ジャパン」の方が迫力は上だった。日本の録音技術の高さが広く認められる結果となり、以後、日本でライブをすることが、外国ミュージシャンにとって一種のトレンドとなった。