ローリング・ストーンズの発表した曲の中からたった15曲を選ぶのは実に罰当たりなことだ。ストーンズは明らかに他のバンドを凌駕するカリスマ性を秘めており、はちきれんばかりのパワーに溢れている。曲の良さは一言で言えば聴くほどにクセになるその中毒性だ。ジジイになってもノリは健在。シングル曲の品質では史上ナンバー1であろう。ちなみに、ストーンズの曲は皆ミックとキースの共作になっているが、実際はそのどちらかが単独で作っていることもある。

「Sympathy For The Devil」
リードギターの奏法といい、ミックの歌声といい、その曲構成といい、なにもかもケタ外れのインパクトで迫ってくる人間ばなれした傑作。ロックの大革命だ。ミックの作曲だが、キースもだいぶ手をいれ、半年がかりで完成。これでロックはアートになった。

「Jumpin' Jack Flash」
いかにも5人編成バンドらしいシンプルかつノリノリのサウンド。ただもうため息がでるほどカッチョイイ。こういうグルーヴ感は他のバンドには決して出せないだろうなあ。ロックの美を感じる。作曲はキース。キースは天才だ。

「You Can't Always Get What You Want」
いきなりコーラスから始まるので、何事かと思ったが、後から後から楽器が増えていってどんどん盛り上がっていくぞ。この興奮はビートルズの「ヘイ・ジュード」にも負けてはいない。ドラマティックな傑作。
「Miss You」
1年ほど流行に乗り遅れた感もあるが、ダンスブームに便乗して発表した曲だ。ブラック・コンテンポラリー風の歌声をきかせるミック・ジャガーも素晴らしいが、ビル・ワイマンのベースもノリノリでかっこいいぞ。作曲はミックだ。
「Let's Spend The Night Together」
これまたノリのいい曲だ。パッパッパラーラと、なんとつかみやすいコーラスであろうか。スカッと気分爽快。ライヴでは間違いなく受ける曲だ。やっぱロックはこれぐらい熱くなくちゃいかん。
アウト・オブ・アワ・ヘッズUK盤 「Heart Of Stone」
ストーンズはノリノリの曲がある一方、おとなしい曲も多く、寂しい曲や悲しい曲なども多数作っている。これはそういうおとなしめのストーンズとしての初期傑作だ。ミックの叫ぶような歌声は感動モノ。
「Start Me Up」
ロックバンドとしての、最もストーンズらしい曲のひとつだと思う。80年代ストーンズの大傑作であることは、ミック・ジャガーも認めていたはず。余裕の風格さえある。こういうミックの声、大好きですよ。
「Fool To Cry」
このアルバム、なんか胸キュンなんだよなあ。とくにこの曲、キーボードとかギターソロとかじんとくるものがありますね。ミックの叫び声がしびれるぅ。ストーンズってどんな曲をやらせても様になるなあ。
「Mixed Emotions」
いやー、ストーンズも良い意味で来るところまできたなあという感じを受けた。このサビ、かっこいいとかを乗り越えて、もはや感動的でもある。ほんと、ストーンズは年を取るごとにパワーアップしてるよ。
「Angie」
デヴィッド・ボウイの妻を歌ったという噂の曲。ストーンズ流バラードの集大成ともいえる名曲だ。フォーク・ギターとピアノの音の繊細さは特筆もの。日本ではドラマの主題歌に使われたので、若い世代にも人気だ。
「She's A Rainbow」
とっても可愛らしい曲。コーラスといい、いろいろな楽器の音を詰め込んでいる構成といい、どこから聴いてもビートルズの真似っぽいんだけど、でも好きだなあ。ストーンズの一生懸命さが伝わってくる。
「It's Only Rock'n Roll」
このジャケットが表すとおり、華やかな曲。待ってました!とヒートアップしまくり。「Satisfaction」と同じく、スタジオ盤よりも、ライブで聴いた方がはるかにいい。
「Happy」
これはストーンズでは僕が一番好きなアルバムかな。キースがヴォーカルをとる曲ではベスト。ミックにまけないくらい大声で歌ってくれました。ブラスも導入して大盛り上がり。いっきにたたみかけるようなグルーヴ感はさすがストーンズ。作曲は無論キース。
「Brown Sugar」
新生ローリング・ストーンズのイメージを決定づけた曲。作曲はミック。オトナのミック・ジャガーを想像するなり、僕はこの曲を思い出す。もうノリノリ! 新生ストーンズお得意のサックス・サウンドも熱い。
アウト・オブ・アワ・ヘッズUS盤 「Satisfaction」
知らない人はいないストーンズ最大のヒット曲にして、ロック史上に名高い傑作。作曲はキース。実にシンプルな縦ノリのリズム感。所々で決めるリード・ギターのかっこよさ。ロックはノリだと教えてくれる名曲だ。