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Between The Buttons
1967
The Rolling Stones
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ローリング・ストーンズの初期作品はアメリカ盤とイギリス盤とでかなり収録曲が違っていてややこしく、どちらに準拠すべきか迷うところだ。ビートルズの場合は<Magical
Mystery Tour>だけがアメリカ盤で、それ以外はイギリス盤がCD化されていてわかりやすいが、ローリング・ストーンズはアメリカ盤もイギリス盤もCD化されており、どちらを買うべきかで悩む。僕が思うに、イギリス盤の方が完成度が高いが、ヒット曲が多く含まれるのはアメリカ盤である。アメリカ盤はイギリス盤にシングル曲を加える形で発表したものが多いからだ。ローリング・ストーンズの場合、アメリカではイギリス盤の<5x5>に7曲追加して<12x5>として発表することもあれば、アメリカでのみ<December's
Children>が発売したり、<Flowers>という編集色の強いアルバムまで出ているくらいだ。
今回紹介する<Between The Buttons>のジャケット写真はチャーリー・ワッツが中心である。いつも写真の中心人物が違うというのはストーンズらしいところで、バンド結束の誇りを感じさせる。僕の大好きな「Let's
Spend The Night Together」と「Ruby Tuesday」がアメリカ盤に入っていてイギリス盤に入ってないのは痛いが、アルバムの完成度の高さではイギリス盤の方が上だ。
1967年の作品とあって、なんでも屋ブライアン・ジョーンズ色を濃厚に残しつつも、明らかにミック&キースがバンドを呑み込んでいるころ、つまりはちょうど変換期の作品である。前作<Aftermath>ほどの荒々しさ、燃えたぎる野心は感じられないが、音作りにかける実験性はかなりのもの。サイケデリックで、エスニック。あらゆるタイプの音楽を融合している。ちょうどビートルズが<Sgt.Peppers>を出していたころの作品である。作風もお互い似たり寄ったりで、いったいどっちが真似したのか、僕にはよくわからないが、ストーンズには悪いけれども、これを聴くとストーンズとビートルズが比較されてしまうのも当然という気がしてくる。
でも僕はストーンズのアルバムも大好きだ。「Yesterday's Papers」のノリはすごく好きだし、「Complicated」も気持ちが良い。「Back
Street Girl」のブライアン・ジョーンズのアコーディオンもいい感じだ。これらで、続く<Their Satanic Majesties
Request>の下地を作っている感じだ。中でも僕がイチオシするのは「She Smiled Sweetly」。ミック・ジャガーのヴォーカルの魅力をたっぷりと堪能できる。ミック・ジャガーはやっぱりロック史上ナンバー1のヴォーカリストだと思う。 |
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