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12x5
1964
The Rolling Stones
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12曲を5人だけで演奏するから「12x5」。まだブライアン・ジョーンズがイニシャチブをとっていた頃の作品だ。イギリスで出たEPに7曲追加して、アメリカのみの発売である。バンドオリジナルは2曲のみ。つまりはほとんどがカバー曲というスタイルである。ところが、これがなかなか異彩を放っていて良いのだ。今聴くと<ストーンズ版オールディーズのカバー曲集>といった趣すらある。バンドの「ムーンドッグ・マチネー」、ジョン・レノンの「ロックン・ロール」同様、オールディーズのカバー曲という意味では、大好きな作品だし、僕の中ではストーンズのアルバムの中でも何度でも聴きたいアルバムの1枚に入るし、ともすれば一番好きかもしれない。ファーストアルバムよりも演奏・歌・ルックスなど、すべてがグレードアップしており、アルバム全体から発散されるその熱さ、みずみずしさ、エネルギーの味わい深さたるや、言葉では言い表せないものがある。音楽はやっぱりソウル、すなわち魂を感じさせるものだということを再認識させられる。
素晴らしいのは「Time Is On My Side」(シングル盤とはアレンジが異なる)。ミック・ジャガーの歌声を聴いているとじんとさせられる。「Good
Times, Bad Times」のブルース・フィーリングも何とも言えない味があるし、ブライアン・ジョーンズも張り切っていて大変気持ちが良い。「Under
The Boardwalk」もドリフターズに劣らぬ出来栄えだ。アナログな温かみに満ちた1枚だ。 |
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