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Brain Salad Surgery
1973
Emerson Lake
& palmer
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邦題は「恐怖の頭脳改革」。ロックを聴き始めた頃、僕が何よりも衝撃を受けたアルバムの一枚だ。これ1枚でエマーソン・レイク&パーマーの評価は確固たるものになる。プログレのアルバムとしては当然マスト・アイテムで、ピンク・フロイドの「狂気」、キング・クリムゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」、イエスの「危機」と並び、プログレッシヴ・ロックの四大傑作に入れたい。
まずH・R・ギーガーがデザインした観音開きジャケットに驚くが、聴いてみると、全編にほとばしる緊張感にただただ圧倒されるばかり。自身のレーベル、マンティコア設立後の第1作とあって、かなり気合いが入っているジューシーな内容である。様々な音を次々と打ち続けるアナログ・シンセサイザーの音の分厚さがたまらないが、圧巻は「Toccata」。20代そこそこの若造が、たった3人で演奏しているが、なんなんだこのただならぬ緊張感は! 人間離れしたバカテクぶり、どこか超越しちゃった感がほとばしる。明らかにテレビゲームのBGMにも影響を与えていると思う。長い組曲形式「Karn
Evil 9(悪の教典)」も完璧な構成で、壮大なスケールにため息が出る上、息つく暇なしである。最後のキース・エマーソンのボコーダー演出もしびれる。シンセサイザーの本当の使い道、あるいはプログレッシヴ・ロックとは何か。その答えはこの1枚が教えてくれる。 |
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